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白内障手術の眼内レンズについて

[2023.10.21]

近視がある私は朝起きたときからぼんやりとした世界が広がり、眼鏡を探すことから1日が始まります。

たまにふと、目が良ければ朝起きたときからすっきり見えてるし、わざわざ眼鏡を探す必要がないのになあ、と思うことがあります。

白内障を手術する方も、術後の見え方をどうしようかと悩まれると思います。

当院では保険適応の短焦点眼内レンズ、一部保険がきかない選定療養の多焦点レンズをご用意しております。

多焦点レンズは、レンズにもよりますが、手術費用が、保険適応の手術費に25~30万ほど追加されます。

「高いレンズだからきっといいに違いない!こんな高額なら術後眼鏡がいらない!保険適応外の方が保険診療より質がいい!」

と考えがちですが、眼内レンズに関してはそうではありません!!

目に入るエネルギーを100としたとき、短焦点レンズは1か所に100入ります。多焦点レンズは遠方に50、中間に25、近方に25とエネルギーを振り分けます。ですので、実は短焦点レンズの方がくっきりと見えるのです。多焦点レンズは眼鏡が必要なくなる可能性が高いですが、色の見え方やコントラストが悪くなってしまいます。

また、多焦点レンズはハロー・グレアという光の見え方の異常がついて回ります。また、網膜の病気や緑内障などある場合、あまりにも乱視が強い場合は適応となりません。また、将来なにかしらのそういった病気となった場合、実は眼内レンズのせいで見え方が非常に悪くなることがあります。

では短焦点レンズはどうでしょうか。実は、全眼内レンズの中で、もっともはっきりと見えるのは短焦点レンズです。短焦点レンズはハロー・グレアといった光の見え方の異常はほとんどありません。さらに、上記の病気になった時に、眼内レンズのせいで見えづらくなることはありません。

 

「では先生は将来自分が白内障になった時にどっちのレンズにするつもりなの?」

私が将来白内障手術するときは、今よりさらに選択肢が増えてると思われるので、あくまで現時点でのレンズから選ぶとしたら、の話をします。

私自身近視があり、ずっと眼鏡がない生活にあこがれておりました。しかし、眼科医という職業であり、毎月多くの白内障手術を顕微鏡で行います。患者さんたちの目の状態をはっきりと見るために、単焦点をチョイスします。また、乱視もあるので、乱視矯正用の短焦点レンズを現時点では用いるつもりです。また、ドライブが好きで、夜間の運転もするので、なおさら多焦点は選ばないです(多焦点では夜間の対向車の光の見え方のために、運転がしにくくなります)。

このように、多焦点か単焦点かは人それぞれの仕事、趣味、目の状態など、様々な観点から判断し、その人に最も合ったレンズを選ぶ必要があり、単に高いからいいというわけではありません。

白内障手術決めたけど、レンズの種類が多くて迷ってる、何が自分に合ってるか分からない、とお悩みの方は一度ご相談ください。ゆっくり時間かけて決めていきましょう。

 

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