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緑内障と認知症

[2024.04.03]

皆さまこんにちは

 

今まで大学病院や総合病院で務め、クリニックで多くの方々を診察して気づくのは、いかに緑内障の方が多いかということです。大学病院などでは進行してしまってクリニックで困っている方々、緑内障の手術が必要な方々が多かったのですが、クリニックの先生方がいかに多くの緑内障の患者さんたちを発見し、進行予防に努めていたかがひしひしと感じます。

 

目には様々な疾患がありますが、これだけ多くの緑内障の方を診ていると、緑内障に関連した最新の論文を読んで、皆様に還元することも一つの使命ではないかと感じます。(もちろん緑内障以外の論文も見てますし、紹介していきます!)

 

本日は今年アメリカのOphthalmologyという非常に強い学会誌に投稿された最新の論文からです。

もともと目は「脳に通じる窓」と呼ばれるぐらい密接に脳と関わっており、緑内障が認知症などの脳の疾患と関わってるのではないか?と考えられてました。今回の研究はスウェーデンで実施された観察研究(長期間にわたって追跡してみていく研究)です。

緑内障32万人、緑内障のない方320万人を追跡していって、アルツハイマー型認知症、血管性認知症などの発症リスクを見ていったところ、、、

緑内障があるとアルツハイマー型認知症のリスクが35%上昇、血管性認知症のリスクが65%上昇することが分かりました。

特に70歳以上、80歳以上で緑内障と診断を受けた方は認知症になりやすいことが分かりました。

アルツハイマー型認知症と緑内障は似たような神経の変性が起きるので、緑内障とアルツハイマー型認知症が結びつきが強いと考えられます。

血管性認知症は脳の血流障害でおきる認知症であり、緑内障もまた視神経への血流が悪くなることで悪化するので、こちらも結びつきが強いと考えられます。

 

日本人は40歳以上の方の緑内障有病率は20人に1人です。健康的に長生きするためにも、緑内障の治療をしっかり行い、認知症の早期発見が重要になるのではないかと思います。

 

 

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