緑内障のレーザー治療に関する最新知見をまとめてみました。
皆様こんにちは!
急な寒波でいきなり寒くなりましたね。。。気温が週末から一気に下がり、体調に気をつけて暖かくして過ごしましょう。
さて今日は当院でも行われている緑内障レーザー治療であるSLTと呼ばれる治療に関する最新の知識を共有できればと思っております。
SLTに関して以前のブログでどういった治療か紹介しておりますので、是非一度ご覧になってみてください。
こちらのレーザー治療ですが、
最近実施されたLiGHT試験と呼ばれる研究では、
SLTが原発開放隅角緑内障(いわゆる眼圧が高くて緑内障を発症した状態)および高眼圧症(眼圧が高い状態)に対する初期治療として有効かつ安全であることが示されました。
さらに、SLTにより約75%の症例で3年間の点眼薬不要でも問題ないことがわかり、手術の必要性も低下することが明らかとなりました。現在、欧米諸国では、緑内障治療のガイドラインが改訂され、SLTを第一選択治療として推奨または推進する動きが見られております。
日本人に一番多い正常眼圧緑内障は、眼圧が21mmHg以下であるにもかかわらず進行する緑内障です。
過去にLeeらは、薬物治療を受けていた正常眼圧緑内障の患者さん方を対象に、レーザー治療施行後2年間の追ったところ、眼圧の有意な低下および点眼薬の使用量の減少を報告していいます。しかし、新たに診断された正常眼圧緑内障における初期治療としてのSLTの有効性に関するデータは乏しいのが現状です。
今回ご紹介する論文では、日本人正常眼圧緑内障の方を対象に、初回治療および二次治療としてのレーザー治療の有効性および安全性を、多施設研究で検討したものです。
要するに、、、
日本人に一番多いタイプの緑内障の最初の治療としてレーザーは果たして有用か!?を調べました。
その結果、、、
最初からレーザーを用いた方々も、途中からレーザーに切り替えた方も、有意に眼圧の低下が下がることがわかりました。
治療成功率ですが、
初回からレーザーを行った方がレーザーに切り替えて治した方々より治療成功率は高い結果でした。(初回からレーザーの場合約90%の成功率に対して、切り替えた方は約70%)
合併症
ほとんどのレーザー治療後の合併症は軽度で一過性のものでありました。
結論として緑内障レーザー治療は、正常眼圧緑内障に対して初回治療または二次治療として有効かつ安全な治療選択肢となる可能性があることがわかりました。
緑内障を発症すると、どうしても一生目薬をつけないといけないというストレスがついてまわります。
薬による副作用も多く、そんな中副作用がほとんどないレーザー治療は目薬から解放されうる非常に有効な手段です。
ただし、緑内障の方全員に適応があるわけではありません。
一度詳しく聞きたい方は、お気軽にご相談ください。
今日の一枚ですが、
カワズザクラを愛でる愛娘です。