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緑内障のレーザー治療

[2024.02.22]

皆様、おはようございます。

実は私の愛犬のラン、、、モデルデビューしました!!!

とはいっても雑誌やテレビなどではなく、家の近所のわんこを連れていけるカフェのHP用です。それでも可愛く撮ってもらえて、飼い主としては鼻高々です。

ということで、本日のテーマは緑内障のレーザー治療に関してです。

そもそも緑内障、、、これをどう嚙み砕いて患者さんたちに説明すれば分かってもらえるか、日々四苦八苦しております。

私的に分かりやすいかなという説明は(分かりにくかったら申し訳ないです!)

「緑内障は視神経が障害を受ける病気です。視神経は例えるなら、ビデオデッキとテレビをつなぐケーブルのようなもので、このケーブルがゆっくりと断線してくる病気です。」

なんとなくこれでイメージ出来ますでしょうか。

実際には物を見た情報は網膜に投影され、その情報を脳に伝えるためのケーブルが視神経です。

眼圧が高いために、視神経が断線してくる病気が緑内障です。

では眼圧とは何でしょうか?人の目は球体をしています。その形を維持している内圧が眼圧です。

この内側の圧が高いと、365日24時間視神経に圧が加わり、ゆっくりと断線していってしまいます。

では、眼圧を維持しているものは何でしょうか。

それは目の中にたまっている水、房水です。目の前側にある毛様体という組織から水が作られ、、、、

説明を噛み砕きますね。

目の形を維持する水を出すための蛇口(毛様体)が存在します。この蛇口からは365日24時間水が流れ出てきます。

台所のシンクの蛇口がずっと開いてる状態です。ということは流れ出る排水溝が必要になります。

この排水溝にあたるのが前房隅角と呼ばれる部分に存在します。ここが詰まりを起こしているせいで、うまい事水を流しだせなくなっているがために、目の中の圧が上がってしまっているのです。

生まれつき構造上に問題があったり、排水溝に汚れが溜まったり、後ろから押し上げられて狭くなったりと様々な原因でつまりを起こしております。

緑内障の目薬は大きく分けると

①蛇口を少ししめる

②出口を少し開く

のが基本的なメカニズムです(もっと細かい違いはいっぱいありますが、大まかにこのように理解してもらえると分かりやすいです!)。

手術は、排水溝を大きくする、別の部分に排水溝を新たに作る、といったイメージです。

ではレーザー治療は何なのでしょうか。

今現在主流になりつつあるSLTと呼ばれるレーザー、Selective Laser Trabeculoplastyの略称で、選択的レーザー線維柱体形成術といいます。

実はこれまでも緑内障に対するレーザー治療はありました。ALT(Argon Laser Trabeculoplasty)と呼ばれ、こちらは組織破壊を伴い、効果もあまりよくありませんでした。

SLTはどう違うか。日本語で「選択的」と書かれているのですが、実は排水溝のつまりだけを選択的に処理することが出来るのです。組織破壊を起こさず、つまりだけ取り除く、パイプユニッシュのようなものです。

SLTの利点としては

①痛みをほとんど伴わない

②海外の研究で、緑内障治療開始時にSLTを行った方が、点眼での治療より治療成績がいい報告があり(Gazzardら, 2019)、欧米では第一選択となっている。

③低侵襲であり、副作用がほとんどない(レーザー後に一時的に眼圧が上がりますので、眼圧上昇予防の点眼をレーザー前後に行います)

④レーザー後はいつも通りの点眼のみで、生活上の注意も特になし。もちろん車の運転も可能。

デメリットとしては

①20%効かないケースがある。

②治療効果が2~3年である。(ただし、効果が弱まった時、再度追加レーザーすることでまた効果が出ます)

③保険適応であるが、コストが高い(1割負担で両眼約2万、2割負担で両眼約4万、3割負担で両眼約6万)。

SLTは特に治療初期の方、仕事が忙しくて点眼を忘れがちな方、ステロイドのせいで眼圧が上がっている方、妊娠中であり点眼が使えない方、点眼の副作用が気になる方、点眼で効果が出ない方にお勧めです。

かなり噛み砕いて説明してみましたが、わからないところがある、もっと説明を聞きたい、受けたいけど怖い、けどもっと知りたい、などございましたら気軽にお越しください。

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