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糖尿病薬と緑内障

[2024.11.06]

皆様、こんばんは。

三連休いかがお過ごしだったでしょうか。私はライフワークの屋久島登山が台風により飛行機欠航となり、鹿児島の桷志田(かくいだ)の壺で作る黒酢工場に黒酢見学に行ってきました。

圧巻でした、大量の壺が並んだ壺畑。

折角なので黒酢が目に与えるいい影響など調べようと思ったのですが、まだまだ調べきれてないので本日は糖尿病薬、特に最近よく処方されているGLP1作動薬(リベルサス、オゼンピック、ビクトーザ、トルリシティ)と緑内障に関する最新の論文をご紹介します。

こちらの論文、アメリカのOphthalmologyという、非常に影響力のある眼科雑誌に投稿された論文になります。

この研究では、2型糖尿病患者におけるGLP-1受容体作動薬と緑内障リスクの関連性を調査しています。主なポイントは以下の通りです。

1.背景と重要性:緑内障は、失明の主な原因であり、一般的な治療法は眼圧の低下です。しかし、既存の治療にもかかわらず、多くの患者が失明に至るため、他のリスク因子を対象とした補完的な治療の必要性が強調されています。

2.GLP-1の可能性:もともと2型糖尿病や肥満治療薬として使用されてきたGLP-1作動薬には神経保護作用があることが示唆されており、網膜の保護を通じて緑内障の進行を予防する可能性が考えられておりました。

3.研究デザインと対象:対象は264,708人で、その中から1,737人の緑内障症例と8,685人の対照群を分析しました。

4.結果:GLP-1作動薬使用者は非使用者と比べ、緑内障の発症リスクが19%低く、特に3年以上使用している場合は29%のリスク減が確認されました。このことから、GLP-1作動薬の使用期間が長いほど保護効果が高まる可能性が示唆されました。

5.強みと限界:本研究は大規模データを使用しているため、一般化の可能性が高い一方、GLP-1作動薬が肥満患者に処方されることが多いため、肥満が未測定の要因として結果に影響を与えている可能性も考えられます。

6.結論と今後の展望:2型糖尿病患者において、GLP-1作動薬使用が緑内障の発症リスクを低減する関連が示され、特に長期使用で神経保護効果が高いことが確認されました。GLP-1作動薬を緑内障の補完治療として検討する価値があり、効果とメカニズムの解明にはランダム化比較試験が必要と考えられます。

難しい話ですが、まとめると、上記の糖尿病薬を長く使っている人たちは視神経が護られて、緑内障を発症しにくくなることがわかりました。

これはあくまで肥満や糖尿病に対してのみの処方であり、緑内障に対して保険適応はありませんので、実際明日からいきなり処方してほしいとなってできる代物ではないことに注意が必要です。

しかし今後の研究によっては、目薬以外の緑内障治療の選択肢となりうる可能性があります!

では今日のランを一枚。

鹿島わんわん村でお友達のこうめちゃんとはしゃぐランです。

 

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