気圧の変化と網膜剥離の関係ってあるの?
皆様こんにちは!
だんだんと台風が近づいてますね。週末大荒れの予報ですので、お気をつけくださいね。
うちのわんこは家でトイレを絶対しない頑固な娘なのでどんな天気でも外に連れ出さないといけないのが辛いです、、、
ではそんな天気に関する内容を今日はお話ししていきましょう。
「台風が近づくと目の調子が悪くなる気がする」「気圧が下がると網膜が剥がれやすくなるって本当?」
これ実は眼科医あるあるで、気圧変化が起きる時は緊急手術の連絡が体感で多くなるので、大学病院にいたときは台風予報が来たら気をひきしめてました。ではそれって本当なのでしょうか?
今回は、網膜裂孔・網膜剥離と気圧の関係について、これまでの研究から分かっていることを整理してみました。
まず、網膜剥離や網膜裂孔って何?からいきましょう。よくボクサーで網膜剥離になって引退とか聞いたことがあると思います。
網膜は眼球の内側を覆う、ものを見たり光を感じ取る薄い膜です。加齢や強度近視などによって硝子体(眼球内を満たすゼリー状の組織)が変化すると、網膜の一部が引っ張られて穴が開くことがあります。これが網膜裂孔です。裂孔から水分が入り込み、網膜が眼球の壁からはがれてしまうと網膜剥離となり、放置すると視力に重大な影響を及ぼすことがあります。
世界的に見ると、気象要因と網膜剥離の関連については研究によって結果が分かれています。ギリシャやアメリカで行われた研究では、気圧と網膜剥離の発生頻度に明確な相関は見られませんでした。
一方、国内でのこの5年間のデータ分析では、気圧が低く、かつ気象の変動が少ない(安定している)時期に、網膜剥離の頻度がやや高くなる関連が報告されています。ただし月別・季節別で見ると発生頻度に統計的な有意差はなく、この関連がそのまま「台風が来ると危険」を意味するものではありません。
なぜこうした関連が見られるのか、明確な生理学的メカニズムはまだ分かっていません。論文では「天候が安定している時期は活動量が増え、それに伴い硝子体の状態に変化が生じるのではないか」という仮説が示されていますが、これはあくまで推測の段階です。単一施設でのデータであり、喫煙や糖尿病といった個人差の影響は調整されていない点にも注意が必要です。
ということで、現時点の研究を踏まえると、気圧の変化そのものを過度に心配する必要はありません。
今まで大学で勤めてる頃に、眼科医たちが台風だから緊急手術増えて大変だわー、とお互いを慰め合ってたのですが、気のせいでした笑
それよりも大切なのは、次のような症状が出ていないかです。
- 急に飛蚊症(黒い点や糸くずのようなものが見える)が増えた
- 視界の端でピカピカと光が見える(光視症)
- 視野の一部が欠ける、カーテンがかかったように見える
これらの症状は、天候や気圧に関わらず、網膜裂孔・網膜剥離のサインである可能性があります。特に強度近視の方、片方の眼で網膜剥離を経験したことがある方、ぶどう膜炎などの既往がある方はリスクが高いため、症状がなくても定期的な眼底検査をおすすめします。
では今日の一枚です!

秋といえば食欲の秋!芋を見るとソワソワしちゃうわんこです。

