血圧は低いほどいいの?緑内障と血圧に関して
皆様こんにちは!
ルポシリーズが終わり(あれ結構大変だったんです、、、)、新しい話題を皆様にようやっと提供できます!
その第一弾として最新の研究の結果も交えてです。
「高血圧は体によくない」これは多くの方がご存じだと思いまが反対に、血圧は低ければ低いほど健康なのでしょうか?
実は緑内障、とくに日本人に多い正常眼圧緑内障ではそういうわけでは無いのです。
2026年に発表された研究では、夜間に血圧が大きく低下する人ほど、中心部の視野障害が速く進行する可能性が報告されました。さらに近年の研究を総合すると、緑内障では眼圧だけでなく、視神経にどのくらい安定して血液を届けられているかも重要なのではないかと考えられています。血圧が低いと、血流が悪くなるんです。
緑内障は、網膜神経節細胞やその軸索である視神経が徐々に障害され、視野が欠けていく病気です。
そして緑内障治療で最も重要なのが、眼圧を下げることであり、これは現在も変わりません。しかし、眼圧を十分に下げているにもかかわらず進行する患者さんもたたおられます。
いくつ点眼してもレーザーやって眼圧下がってるのに視野が徐々に悪くなっていく、その場合伝える時も心苦しいし、言われた患者さんもこんなに頑張ってるのにと心折れそうになってる表情を見てなんとか励ましているのですが、、、。
特に日本では、眼圧が正常範囲にあるにもかかわらず緑内障になる正常眼圧緑内障が多くみられます。
そこで以前から注目されているのが、眼圧以外にも、視神経を弱くする要因があるのではないか?という考え方です。
その候補の一つが血流・血圧です。
眼球の中からは眼圧という圧力がかかっています。一方、視神経には血液を送り込むための血圧があります。
つまり非常に単純化すると、血液を送り込む力(血圧)− 眼球側からかかる圧力(眼圧)
という関係があります。
この考え方に関連する指標が眼灌流圧(ocular perfusion pressure:OPP)です。
厳密には実際の視神経血流はこんな単純な引き算だけで決まるものではありません。血管抵抗や自動調節能など、さまざまな要素が関係します。しかし、眼圧が高いことだけではなく、血圧が低すぎることでも視神経への灌流が不利になる可能性があるというのがポイントです。
また、人間の血圧は一日中同じではありません。一般的には、
昼間:高め
↓
睡眠中:低下
↓
朝:再び上昇
というリズムがあります。
夜間にある程度血圧が低下すること自体は正常な生理現象です。ところが、一部の人では睡眠中に血圧が大きく低下します。そして緑内障では、この夜間の血圧低下が大きすぎることが問題になる可能性があります。
2026年1月の American Journal of Ophthalmology に報告された論文ですが
対象となったのは、未治療の正常眼圧緑内障199人です。
患者さんに24時間血圧測定を行い、分かった結果が
夜間に血圧が大きく低下するタイプの方では、中心視野の悪化が約2倍速かったのです。
今回の研究で特に興味深いのが、中心視野の進行を調べていることです。
中心視野は、生活する上で最も重要となります。
今回の研究では、夜間血圧が大きく低下する正常眼圧緑内障患者では、まさにこの中心視野が速く悪化する可能性が示されました。
以前から実は夜間血圧低いと緑内障が進みやすくなることは言われてたのですが、今回、中心視野が悪化するということは初めて分かったことで、夜間血圧が低いと、生活の質が悪くなる可能性が高いということです。
かといって、血圧高くすればいいのかというともちろんそんなわけはなく、重要なのは適切かつ安定した血圧を維持することです。
眼圧は十分下がっている。
点眼もしっかりできている。
それなのにOCTや視野検査では少しずつ進行している。
こういう正常眼圧緑内障の患者さんでは、血圧はどうなっているのか?という視点も必要かもしれません。
この記事を読んで、「じゃあ緑内障だから血圧の薬をやめよう」とは絶対に考えないでください。
高血圧治療は脳卒中や心血管疾患を予防するために非常に重要です。
むしろ眼科で緑内障の進行が確認され、夜間低血圧が疑われる場合には、内科・循環器科の先生とも情報を共有して、全身のリスクと眼のリスクの両方を考えることが重要です。
こちら読んで、あれ、そういえば血圧の治療してると心当たりある方は、積極的に眼科主治医と情報共有しましょう。
さて、今日の一枚ですが、

最近一番お気に入りのワンショット。なんともいえない表情がたまらないです。

